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  • 執筆者の写真口田 栄治

それ本当に自律神経失調症とか鬱ですか? ー 鉄欠乏やタンパク質不足かも・・・

更新日:2021年3月25日



目次

1.鉄・タンパク不足?
2.鉄不足が見抜けない理由
3.赤血球以外の鉄の役割
 ・神経伝達物質合成に必要
 ・有毒の活性酸素から身を守るのに必要
 ・エネルギーを作るのに必要
4.鉄不足が不妊の原因に
 ・女性ホルモン分泌
 ・産後うつ
女性に多い鉄不足
 ・第二次性徴期から減少
 ・月経から考えると
 ・摂取不足―鉄
6.タンパク質不足
7.鉄を摂ればいい?


鉄・タンパク不足?


うつを病気としてとらえるか、症状

の一つとしてとらえるかで見方が変

わってきます。


貧血と同様に、「うつ・パニック障害」

も女性の発症率が高いといわれます。


実は、

鉄・タンパク不足でうつ症状も現れます。


症状は、

□気分の落ち込み

□やる気がでない

□イライラする

□息苦しくなる

□動悸がする

□めまいやふらつきがある

□頭痛

□冷え性

□倦怠感がある

□朝おきられない

□目覚めが悪い

などです。


日本での検査では見逃されてしまい、

鉄不足の認識も甘く、多くの人が自


分の鉄欠乏に気づいていません。





鉄不足が見抜けない理由



鉄不足は一般の健康診断などで貧血

状態か否かの指標として「ヘモグロ


ビン値」をみますが、フェリチン値

までは調べません。


ヘモグロビンは鉄とタンパク質でで

きているので、鉄やタンパク質が不


足すると血液中のヘモグロビン値が

低下し、酸素を体の隅々まで運んで


二酸化炭素を回収するという赤血球

の働きが弱くなり、酸素不足となり、


貧血が起こりやすくなります。


血液中の鉄が不足すると、フェリチ

ンに蓄えていた鉄分が放出され、血


液中の鉄分量を調整します。


ヘモグロビン値が正常でも、フェリ

チン値が低ければ鉄の貯金が少ない


ので体全体からすれば鉄不足となり

ます。


鉄は赤血球に使われるだけではなく

全身でつかわれているのです。





赤血球以外の鉄の役割



神経伝達物質合成に必要


神経伝達物質を作る際に酵素の働き

が必要なのですが、その酵素は鉄が


結合することで働きます。


鉄不足では、神経伝達物質の合成が

低くなってしまうという事です。


モノアミン系の神経伝達物質は、セ

ロトニン、ドーパミン、ノルアドレ

ナリンです。


セロトニンは心を安定させ、ドーパ

ミンは快楽を作る作用に関わり、ノ


ルアドレナリンはやる気を作ります。


これらの神経伝達物質の不足がうつ

病の原因であるという「モノアミン


説」が有力であるとされ、これに対

応した向精神薬が開発・処方されて

います。


鉄不足で、これらの神経伝達物質が

必要なときに作れなくなると、うつ


やパニックなどと同じ症状がでるのです。


セロトニンはドーパミン、ノルアド

レナリンを安定させる司令塔です。


ドーパミン、ノルアドレナリンを安定

させて、心を安定させます。



※セロトニン不足を解消するために

研究開発されたセロトニン活性療法

はこちら。

↓↓↓

セロトニン活性療法



セロトニン、ドーパミン、ノルアド

レナリンはアミノ酸から作られます。


アミノ酸はタンパク質を分解した最

小単位のものです。


タンパク質不足は避けないといけま

せん。


タンパク質の詳細はこちら





有毒の活性酸素から守るのに必要


体内で発生する活性酸素は、細胞を

酸化させることで、老化や、がんや


慢性病など、いろいろな病気を引き

起こす原因になる、という事を聞い


た事がある方も多いと思います。


活性酸素は、細菌をやっつけたり、

酵素のはたらきを促進したりしてく


れる必要なものなのですが、増えす

ぎるといろいろな病気を引き起こす


原因となってしまいます。


増えすぎた活性酸素から身をまもる

ための抗酸化物質のことを「スカベ


ンジャー」と呼びます。


代表的なスカベンジャーの一つであ

るカタラーゼという酵素のはたらき


に、鉄が必要です。


鉄不足でカタラーゼが働けなくなり

活性酸素が細胞を酸化させ、様々な


病気の原因となりうるのです。



エネルギーを作るのに必要


体のエネルギーを作る最終段階で、

電子伝達系というものがあります。


そこで鉄を使用するので、鉄不足

では電子伝達系が働かなくなり、


エネルギーが生み出せなくなるの

でエネルギー不足となります。





鉄不足が不妊の原因に


女性ホルモン分泌


鉄は高温期に分泌される女性ホルモ

ン(黄体ホルモン)の分泌に不可欠


で、排卵障害を予防したり、卵細胞

の成長にも必要ですし、受精後の胎


児の器官形成にも必要です。


このため、鉄が不足していると、妊

娠しづらくなったり、流産の原因に

もなります。


欧米ではフェリチン値40以下では

妊娠を許可されません。


日本の基準値は、男性で21~282

女性で5~157とされています。


日本の下限値が低すぎが、フェリチン

を重要視していない証拠の一つですね。


日本女性の大半は、貯蔵鉄(フェリ

チン)が空っぽの状態です。


欧米の基準でいくと日本女性の99%

が鉄不足ということになります。



産後うつ


フェリチンの少ない状態で妊娠ー出産

では、赤ちゃんにたっぷり鉄を渡すの


で、お母さんは鉄不足になりやすく、

第1子、第2子と、出産するごとに、


鉄・タンパクは枯渇し、産後うつの発

症も危ぶまれます。





女性に多い鉄不足


健康な人の体の中には、大体3~4

gの鉄があります。


そのうち3分の2程度が、ヘモグロ

ビンと結合した状態のヘム鉄です。


あとの3分の1は、フェリチンなど

の貯蔵鉄です。


第二次性徴期から減少


第二次性徴期でホルモン合成が活発

になり、原料のタンパク質やミネラ


ルが大量消費され、鉄の減少が加速

します。


月経がはじまり貯蔵された鉄が減少

し始め、枯渇してしまう。


この年代に起こりがちな問題ー貧血、

立ち眩み、朝礼で倒れる、朝起きれ


ない、不登校、すぐにキレる、過換

気症候群などにも関係してそうです。



月経から考えると


1回の月経で失われる鉄は、約20

~30㎎とされています。


1日あたりの損失量は0.63㎎と

なります。


これに月経以外での損失0.72㎎

とを合わせると、女性が1日に失う


鉄量は1.35㎎/日です。



摂取不足ー鉄


鉄製の調理器具は使わなくなり、野

菜に含まれる鉄も減少、調理時間短


縮のために加工されたものを使用し

てさらに減少。


鉄が不足する世の中になっています。


※他のビタミンミネラルも同様です。


吸収率というものがあるので、鉄1

.35㎎を口に入れたからといって、


体内に1.35㎎吸収されるわけで

はありません。


さらに、現状維持で1.35㎎/日

ですから、現状より良くしたい人は


1日の摂取量は1.35㎎を越えな

ければいけない事になります。


栄養指導についてはこちら





鉄を運ぶタンパク質


食事中に含まれる鉄の多くは3価鉄

(Fe3+)の非ヘム鉄ですが、胃で


還元されて2価鉄(Fe2+)となり、

十二指腸から吸収されて、毛細血管


に入り、そこでトランスフェリンと

いうタンパク質と結合し運ばれます。


おおまかにいえば、口から入った鉄

はトランスフェリンと結合し、吸収


されるというながれになります。


そして赤血球に取り込まれたり、肝

臓や脾臓でフェリチンとして蓄えら

れたりします。


鉄は反応性が高く毒性があるので、

「フェトン反応」をおこすので、多


くはトランスフェリンと結合し毒性

のないものにしています。


いくら鉄のサプリメントを飲んでも

タンパク質でできたトランスフェリ


ンが少ないと吸収されずいかされな

い事になります。


タンパク質の詳細はこちら



※フェトン反応


鉄イオンは酸素と反応しやすく、過

酸化水素が鉄イオンや銅イオンの触


媒作用により、活性酸素の一つであ

るヒドロキシラジカルに変化する反

応です。


活性酸素は、DNA、細胞膜、ミトコ

ンドリアを酸化させ、がんの原因に

もなります。





鉄を摂ればいい?



たとえば、亜鉛が過剰になると鉄や

銅が吸収しにくくなります。


カルシウムが過剰になると、鉄やマ

グネシウム、亜鉛が吸収しにくくな

ります。


モリブデンというミネラルをとりす

ぎて、銅の吸収が阻害されます。


この様に、なにか一つを一生懸命摂

ると、他に必要なものが不足してし


まうという事が起きてしまいます。


バランス良くミネラル類を摂る必要

があります。


ミネラルは、ビタミンとともに体の

機能の調整をする栄養素なので、ミ


ネラルとビタミンも一緒にバランス

よくとらないといけないのです。


鉄だけとかカルシウムだけとかの、

”○○だけ”は逆効果かも!!


あっ!タンパク質は必須です。


カラダは車のタイヤ交換のように

単純なものではありません。

↓↓↓

栄養指導についてはこちら


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